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ようこそ、リーディング・テーブルの世界へ
「リーディング・テーブル」とは、直近1・2ヵ月間に読んだ本について、気軽にトークし合うだけのもの。
推し本ではないので、冊数制限はありませんし、プレゼンでもありません。
お茶でも飲みながら、本についておしゃべりするだけ。
やることはシンプルですが、狙いが幾つかあります。
まず振り返ること自体が記憶を強化します。
そして発表を前提に読むことで、読みの真剣さも増します。
また概要を述べることにより、内容の整理化と言語化も期待できます。
他の人がどの様な本を読んできたのか、直に知る機会も提供してくれます。
(またそれら一連のものが読書歴アーカイブにもなる)
さらに読んだ本について語ることは、溜まっていたものを吐き出す行為であり、一種、えも言われぬカタルシス的な爽快感を伴います。
このスッキリ感が、次の読書への推進力にもなるのです。
世の中には、素晴らしい本が沢山あります。
何回でも申し上げたいぐらいですが、それこそ宇宙にきらめく星々の如く、面白い本が無数に存在しているのです。
ですが悲しいかな、浅学非才の身では、そのほんの一部しか把握できない。
せめて読んだ本の話だけでもと願っても、周囲には、その仲間すらいないのです。
無い無い尽くしの極致、ここに極まれり・・・。
彼女がいないのには我慢ができます(本当か?)。
収入が少ないのにも我慢ができます(本当か?)
しかしながら、読んだ本について語り合えないのには、もはや我慢がならないのであります(これは本当)。
そこで少ない脳みそを絞り、ここに一計を案じました。
他の読書好きの方々のお力も借りようと。
互いに刺激を与えつつ、未だ知らない本も教えて貰えるコミュニティを作ろうと。
ここで『マクベス』の魔女さながらに、あなたの耳元へささやきかけたい。
なんの衒いもなく本について語り合いませんか?と。
興味関心のおもむくままに読んだ本。それについて報告し合いませんか?と。
さらに未知なる本に出会うというセレンディピティを、実際に経験してみたくはありませんか?と。
そしてその先には一体何があるというのでしょうか?
『マクベス』では、主人公夫妻に悲劇的結末が襲って参りました。
一方、読書好きの我々には、いかな結末が訪れるというのでしょうか?
そうです。読みたい本がさらに増えてしまうというジレンマが、大きな口を開けて待ち構えているのです。
このジレンマに悶え苦しむという喜びを皆さんと分かち合い、共に味わってみたいものであります。
願わくは読んだ本を語りて読書人を戦慄せしめよ(『遠野物語』ふうに)。
名称に人文書を付けておりますが、小説やコミック、サイエンス関連にノンフィクション・ビジネス書・受験参考書など、それ以外のジャンルもOK。
あなた個人のためにも、そして他の参加メンバーのためにも、是非気軽にお越しください。
私たちは諸手をあげて、本好きのあなたを歓迎いたします。
「これまで出版されてきた数多の書物」という名の宇宙。
この広大な宇宙を、共に手を携えて探検していこうではありませんか。
最後に一言。 万国の読書好きよ、団結せよ!
リーディング・テーブルの実際例〜その1
「 リーディング・テーブル 」とは、「最近読んだ本」について、気軽にトークし合う形式のことです。
おススメする必要もなければ、プレゼン合戦のように順位付けも致しません。
また、メインテーマはあるものの、それにこだわる必要もありません。
要は、直近1〜2ヶ月の間に読んだ本。
これらについて感想を共有し合うだけの雑談会になります。
しかも順番にターンを回していくだけですので、リアルとオンライン。
双方に適した形式でもあります。
とはいっても、実際にどんな感じでトークするのか、気になる方々も多いようです。
そこで、実際に行われた「 リーディング・テーブル 」の文字起こしを作成しました。
どうぞ、ご笑覧ください。
( オンラインはZoomを使用 )
( レコーディング開始が若干遅かったため、冒頭の1~2分程度が抜けております)
最後になりますが、予定外の文字起こしだったにもかかわらず、当掲載を快く承諾して
下さった参加者の皆様に、あらためて感謝の意を表明致します。
主宰 海の旧字体は母 より
《 ここから「 リーディング・テーブル 」のスタートです 》
Bさん 興味があるのがまあ哲学とか民俗学と かあと、古代ローマとか結構好きなんで、そういう本を読んだりします。
まぁ、よろしくお願いします。
一同 よろしくお願いします( 拍手 )。
( Bさんの背後から、講談社学術文庫やちくま学芸文庫が積まれているのが見えるとの指摘に対し )
Bさん 棚に入りきらなくて、上に載せているんです。
進行 みんな同じ悩みを抱えていますよね~。
一同 そうですよね~( 笑 )。
Cさん そんなに人文書って読んでこなかったんで、( サークル名を見て )マジで言ってるのか?って、正直、思っちゃいました!
一同 アハハハハッ!( 大爆笑 )
Cさん 好きな本のジャンルとしては、文学文芸です。そこら辺はだいたいいろんな ジャンル読んでます。
まぁそういうことなんで、「 シェイクスピア 」とか、そういうところから紹介したいと思います。
以上です。
よろしくお願いします。
一同 お願いします。
Dさん 皆さん、初めまして。Dと申します。
読書会自体は何回か出たことはあるんですけ れども、こうやって人文 書をテーマにした読書会ってのは初めてなので、すごい楽しみにしてます。
普段読むのは、ノンフィクション系が結構好きでして、元々歴史が好きなんで、結構歴史の本が多いかなと思います。
そこから派生して哲学だったり、いろんなジャンルを読んでます。
まだこの読書会の趣旨がよく分かっていないところもあるのですが、
よろしくお願いします。
進行 この「 リーディング・テーブル 」の名称なんですが、企画段階では、「 読書記録交換会 」だったんです。
これではマズイと思い直しまして、ああでもない、こうでもないと,20以上の候補名が浮かんでは消えていきました。
その最中、たまたま「 アーサー王と円卓の騎士 」をモチーフにしたマンガ( 『 週刊ヤングマガジン 』の「 皆殺しのアーサー 」)を目にして、「 リーディング円卓会議 」というフレーズを思い付いたんです。
まぁ、読書会は会議ではないんですけど ( 笑 )。
それで最終的に、読書会の形式については、
「 リーディング・テーブル( 方式 ) 」で。
一方、サークルの名称については「 人文書リーディング・テーブル 」になったという次第なんです。
一同 へぇ~( そうだったんだ )。
進行 ただ、頭に「 人文書 」の三文字を入れたのは、あくまでも人文書というジャンルを
応援したいんだぞ、という意思表示なんです。
ただこの「人文書」を入れたことで、参加者集めは苦労するかもしれないので、正直、かなり迷いました。
一方、方法論としての「 リーディング・テーブル( 方式 ) 」については、ジャンルに拘らず、小説や コミックなど何でも良いかなと。
例えば映画などであっても、ガイドブックならば条件を満たします。
そのガイドブックを紹介する限りではOKになっちゃうわけで ( 笑 )。
基本的に、本になっていれば何でも良いわけです。
というわけで、ジャンルを広く取り、硬軟おり混ぜて紹介していただければと思います。
一同 分かりました~。
進行 それに難しいことを述べる必要もありません。
読んだ本の感想を素直に吐露していただくだけで結構なんですよ。
プレゼンではありませんし、順位付けのようなこともしません。
気軽なトークをしていってくださいね。
また、無理におススメする必要もないんです。
一同 なるほど~。
進行 今月、こういう本を読みました とか、ああゆう本を読んだんだけど、〇〇って思った 、など気軽にトークできる場が周囲には無かったんですね。
そういうわけで、同じ環境にいる読書好きの皆さんのためにも、この「 リーディング・テーブル ( 方式 ) 」が、世の中に普及していって欲しいなと 願っております。
それと、個人的にはビブリオバトルが苦手なんですよ~ ( 笑 )。
一同 ( 笑 )
進行 Aさんとはリーディング・テーブルを一度しているのですが、読んだ本についてトークすると、本当にスッキリするんですよね。
Aさん スッキリしますよね!
進行 あの爽快感を、皆さんにも味わっていただきたいですね~。
ところでAさん、どうでしょう?
スッキリすると、次の読書の推進力になりませんか?
Aさん そうなんですよ!
本読む方って、入れっ放しのことが多いですからね。
一同 たしかに・・・。
Aさん 入れたっきり出て来ないみたいなことは、凄くあるんじゃないかなという気がしますね。
それとビブリオバトルみたいしちゃうと、やっぱなんか勝つみたいな方向に意識が行っちゃいますから、つい。
良いプレゼンをしようみたいな。
もう喋りたいように喋るっていうのが、良いんじゃないですかね~。
一同 うんうん。
進行 では、この流れでですね ( 笑 )、経験者であるAさんからリーディング・テーブルを始めたいと思います。
Aさん、よろしくお願い致します。
Aさん やっぱ、そうなっちゃいましたか~。
一同 ( 大笑い )
Aさん それでは始めますね。
先ほど、歴史が好きな方とか民俗学が好きっていう方もいましたよね。
そういった方とリンクするのかなって聴いていて思ったんですけど、(『 マンゴーと手榴弾ー生活史の理論 』、 岸政彦、勁草書房 )をカメラに見せながら)これ凄く面白かったです。
『 マンゴーと手榴弾 』っていう本です。
これは沖縄に密着取材した本なんですよ。
日本で社会学者っていうとどうでしょうか。
古市憲寿さんとか上野千鶴子さんとか有名ですよね。
数字データや統計データ駆使して、社会を批評していくっていうような印象があるんじゃないかなと思うんですけど。
一同 たしかに・・・。
Aさん これを読んだ感じ、小説なんですよね、印象が。
社会学の中でも、数字とかをゴリゴリに使わないタイプのもあって、「 質的調査 」ていう言葉で言ったりするんです。
要するに出生率がどんくらいですとか 、GDP がどんくらいですというデータじゃなくて、人々のしゃべる「 語り 」に注目するんですよね。
例えば、日記に書いてある日記の文章とか、人の語りっていうのをインタビューして書き起こしたりしたことをもとに、もっと細かく見ていくタイプの社会学もあるんです。
それを「 質的社会学 」っていう用語で言ったりするんですけど、その第一任者とも言える方なんです。
著者の岸政彦さんという方は。
その人が沖縄戦について取り上げた本なんです。
この『 マンゴーと手榴弾 』っていうのは。
一同 ふんふん( うなずきながら )。
Aさん その沖縄戦ですが、「 集団自決 」っていうすごく強い言葉が思い浮かぶわけなんですね。
旧日本軍から渡されてた手榴弾で、みんな集団自決するみたいなイメージです。
ただ、その沖縄戦を親から聞いたとか、実際自分を経験したっていう人たちに聞いてみるとですね、例えば、そのアメリカの兵隊さんにマンゴーあげたとか、向こうからお菓子を貰ったとか・・・。
そういう話って何て言うのかな、沢山掘り起こされてくるわけです。
だからあの集団自決があってアメリカの兵隊が攻めて来てっていうような、すごく戯画化されたイメージとは裏腹に、それに回収しきれない細かいエピソードが沢山出てくると。
一同 へぇ~。
Aさん ということで、象徴的に、マンゴーから見えてくる沖縄。
それと手榴弾。
そこから連想される「 集団自決 」っていう風な戯画化された沖縄っていうものとマンゴーから見えてくる ものを対比させ、ディティールを描き出していくような本になってます。
一同 うんうん。
Aさん で、まさにあの沖縄の民俗学的背景とか、あとやっぱり一人一人の話を聞き出していく・・・。
このように一人一人の物語を聞き出していくっていう作業の連続なので、読みようによっては、実在する人物を元にした小説のようにも読むことができるんです。
なんかこう頭がすごくあのマッサージされるような、あの、なんか気持ち良くなる本ですね。
社会学の数字とかいっぱい使ってる本を読むと、暗い気持ちになりますからね、どっちかっていうと。
こんなふうに格差が拡がっているとか、そんな話ばっかですよね。
数字に還元しきれないリテールっていうものを、解き明かしていくっていう社会学のやり方もあったりするわけで。
とてもおススメの本です。
進行 Aさん、面白い話をありがとうございました。
皆さん、何か質問がありましたら、遠慮せずに質問してくださいね。
もちろん、後でもいいですから。
(「「その2」へと続く)