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「リーディング・テーブル」の実際例 ~その1~

最終更新: 6月12日

「 リーディング・テーブル 」とは、「最近読んだ本」について、気軽にトークし合う形式のことです。


おススメする必要もなければ、プレゼン合戦のように順位付けも致しません。

また、メインテーマはあるものの、それにこだわる必要もありません。


要は、読んだ本についての雑談会になります。


しかも順番にターンを回していくだけですので、リアルとオンライン。

双方に適した形式でもあります。


とはいっても、実際にどんな感じでトークするのか、気になる方々も多いようです。

そこで、実際に行われた「 リーディング・テーブル 」の文字起こしを作成しました。


どうぞ、ご笑覧ください。

( オンラインはZoomを使用 )

( レコーディング開始が若干遅かったため、冒頭の1~2分程度が抜けております)


最後になりますが、予定外の文字起こしだったにもかかわらず、当掲載を快く承諾して

下さった参加者の皆様に、あらためて感謝の意を表明致します。



主宰 海の旧字体は母 より







《 ここから「 リーディング・テーブル 」のスタートです 》


Bさん   興味があるのがまあ哲学とか民俗学とかあと、古代ローマとか結構好き

        なんで、そういう本を読んだりします。

       まぁ、よろしくお願いします。



一同     よろしくお願いします( 拍手 )。


  ( Bさんの背後から、講談社学術文庫やちくま学芸文庫が積まれて

      いるのが見えるとの指摘に対し )



Bさん     棚に入りきらなくて、上に載せているんです。



進行      みんな同じ悩みを抱えていますよね~。



一同    そうですよね~( 笑 )。



Cさん      そんなに人文書って読んでこなかったんで、( サークル名を見て )

         マジで言ってるのか?って、正直、思っちゃいました!



一同    アハハハハッ!( 大爆笑 )



Cさん       好きな本のジャンルとしては、文学文芸です。

       そこら辺はだいたいいろんな ジャンル読んでます。

  まぁそういうことなんで、「 シェイクスピア 」とか、そういうとこ

  ろから紹介したいと思います。

 以上です。

      よろしくお願いします。



一同            お願いします。



Dさん      皆さん、初めまして。Dと申します。

  読書会自体は何回か出たことはあるんですけ れども、こうやって人文          書をテーマにした読書会ってのは初めてなので、すごい楽しみにして          ます。


普段読むのは、ノンフィクション系が結構好きでして、元々歴史が好き          なんで、結構歴史の本が多いかなと思います。


  そこから派生して哲学だったり、いろんなジャンルを読んでます。


         まだこの読書会の趣旨がよく分かっていないところもあるのですが、

      よろしくお願いします。



進行      この「 リーディング・テーブル 」の名称なんですが、企画段階では、         「 読書記録交換会 」だったんです。

         これではマズイと思い直しまして、ああでもない、こうでもないと,

        20以上の候補名が浮かんでは消えていきました。

         その最中、たまたま「 アーサー王と円卓の騎士 」をモチーフにした

         マンガ( 『 週刊ヤングマガジン 』の「 皆殺しのアーサー 」)を読みま

         して、「 リーディング円卓会議 」というフレーズを思い付いたんです。          

     まぁ、読書会は会議ではないんですけど ( 笑 )。

        それで最終的に、読書会の形式については、

        「 リーディング・テーブル( 方式 ) 」で。

         一方、サークルの名称については「 人文書リーディング・テーブル 」

         になったという次第なんです。



一同              へぇ~( そうだったんだ )。



進行      ただ、頭に「 人文書 」の三文字を入れたのは、あくまでも人文書を

         応援したいんだぞ、という意思表示ではあるんですね。


         一方、方法論としての「 リーディング・テーブル( 方式 ) 」につい

         ては、ジャンルに拘らず、小説や コミックなど何でも良いかなと。

  例えば映画などであっても、ガイドブックならば条件を満たします。

        そのガイドブックを紹介する限りではOKになっちゃうわけで ( 笑 )。

         基本的に、本になっていれば何でも良いわけです。

というわけで、ジャンルを広く取り、硬軟おり混ぜて紹介していただ          ければと 思います。



一同           分かりました~。



進行       それに難しいことを述べる必要もありません。

         読んだ本の感想を素直に吐露していただくだけで結構なんですよ。

       プレゼンではありませんし、順位付けのようなこともしません。

        気軽なトークをしていってくださいね。


         また、無理におススメする必要もないんです。



一同           なるほど~。



進行     「 今月、こういう本を読みました 」とか、「 ああゆう本を読んだんだ

         だけど、〇〇って思った 」など気軽にトークできる場が、周囲には          無かったんですね。

        そういうわけで、同じ環境にいる読書好きの皆さんのためにも、この         「 リーディング・テーブル ( 方式 ) 」が、世の中に普及していって

         欲しいなと 願っております。

        それと、個人的にはビブリオバトルが苦手なんですよ~ ( 笑 )。



一同                ( 笑 )



進行       Aさんとはリーディング・テーブルを一度しているのですが、読んだ

         本についてトークすると、本当にスッキリするんですよね。



Aさん    スッキリしますよね!



進行     あの爽快感を、皆さんにも味わっていただきたいですね~。

     ところでAさん、どうでしょう?

スッキリすると、次の読書の推進力になりませんか?



Aさん    そうなんですよ!

本読む方って、入れっ放しのことが多いですからね。



一同             たしかに・・・。



Aさん  入れたっきり出て来ないみたいなことは、すごくあるんじゃないかな

         という気がしますね。


それとビブリオバトルみたいしちゃうと、やっぱなんか勝つみたいな          方向に意識が行っちゃいますから、つい。  

         良いプレゼンをしようみたいな。


    もう喋りたいように喋るっていうのが、良いんじゃないですかね~。



一同             うんうん。



進行      では、この流れでですね ( 笑 )、経験者であるAさんからリーディング・

         テーブルを始めたいと思います。

      Aさん、よろしくお願い致します。 


Aさん    やっぱ、そうなっちゃいましたか~。



一同        ( 大笑い )



Aさん      それでは始めますね。




※( 以下、順番が回ってきた方のコメント部分も太字で表記 )




Aさん       先ほど、歴史が好きな方とか民俗学が好きっていう方もいましたよね。

         

        そういった方とリンクするのかなって聴いていて思ったんですけど、

        (『 マンゴーと手榴弾ー生活史の理論 』、 岸政彦、勁草書房         をカメラに見せながら)これ1年くらい前に買って読んだ本なんです。

すごく面白かったです。


        『 マンゴーと手榴弾 』っていう本です。

         これは沖縄に密着取材した本なんですよ。


         日本で社会学者っていうとどうでしょうか。

古市憲寿さんとか上野千鶴子さんとか有名ですよね。

数字データや統計データ駆使して、社会を批評していくっていうような

         印象があるんじゃないかなと思うんですけど。


一同        たしかに・・・。


Aさん     これを読んだ感じ、小説なんですよね、印象が。


         社会学の中でも、数字とかをゴリゴリに使わないタイプのもあって、

 「 質的調査 」ていう言葉で言ったりするんです。


         要するに出生率がどんくらいですとか 、GDP がどんくらいですという

         データじゃなくて、人々のしゃべる「 語り 」に注目するんですよね。

          

例えば、日記に書いてある日記の文章とか、人の語りっていうのを

         インタビューして書き起こしたりしたことをもとに、もっと細かく見て

         いくタイプの社会学もあるんです。


 それを「 質的社会学 」っていう用語で言ったりするんですけど、

        その第一任者とも言える方なんです。

         著者の岸政彦さんという方は。


  その人が沖縄戦について取り上げた本なんです。

       この『 マンゴーと手榴弾 』っていうのは。



一同              ふんふん( うなずきながら )。



Aさん    その沖縄戦ですが、「 集団自決 」っていうすごく強い言葉が思い浮かぶ

       わけなんですね。


        旧日本軍から渡されてた手榴弾で、みんな集団自決するみたいな

イメージです。


         ただ、その沖縄戦を親から聞いたとか、実際自分を経験したっていう

         人たちに聞いてみるとですね、例えば、そのアメリカの兵隊さんにマ          ンゴーあげたとか、向こうからお菓子を貰ったとか・・・。


         そういう話って何て言うのかな、沢山掘り起こされてくるわけです。

          

        だからあの集団自決があってアメリカの兵隊が攻めて来てっていう

         ような、すごく戯画化されたイメージとは裏腹に、それに回収しきれ

         ない細かいエピソードが沢山出てくると。



一同               へぇ~。



Aさん    ということで、象徴的に、マンゴーから見えてくる沖縄。

それと手榴弾。


そこから連想される「 集団自決 」っていう風な戯画化された沖縄って

         いうものとマンゴーから見えてくる ものを対比させ、ディティールを

         描き出していくような本になってます。



一同               うんうん。



Aさん で、まさにあの沖縄の民俗学的背景とか、あとやっぱり一人一人の話          を聞き出していく・・・。


         このように一人一人の物語を聞き出していくっていう作業の連続

         なので、読みようによっては、実在する人物を元にした小説のようにも

         読むことができるんです。

なんかこう頭がすごくあのマッサージされるような、あの、なんか

         気持ち良くなる本ですね。


社会学の数字とかいっぱい使ってる本を読むと、暗い気持ちになり         ますからね、どっちかっていうと。


こんなふうに格差が拡がっているとか、そんな話ばっかですよね。


数字に還元しきれないリテールっていうものを、解き明かしていくっ

         ていう社会学のやり方もあったりするわけで。


とてもおススメの本です。



進行    Aさん、面白い話をありがとうございました。

皆さん、何か質問がありましたら、遠慮せずに質問してくださいね。          もちろん、後でもいいですから。


              (「「その2」へと続く)

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