告知文「獄中シェイクスピア劇団」(マーガレット・アトウッド、鴻巣友季子[訳])〜奥いけ世界文学読書会

更新日:4月1日

こんな夢を見た。(注1) 5匹の飼いネコたちがクーデターを起こして、 自分を自宅から追放してしまったのだ。 これまでは、 ネコたちに対し親のように振る舞っていた。 それが一転し、 キャイ〜ン!と悲鳴をあげながら 尻尾を巻いて走り去る野良犬のように、 私は東北地方の地元に逃亡してしまったのだ。 「何がいけなかったのか?」。 ひたすら自問自答を繰り返し、 ふるさとの冬景色のなかをトボトボ歩いていた・・・。 「ネコがみな、われより偉く見ゆる日よ。 われ泣きぬれて、ネコとたわむる」という 石川啄木の短歌を思い出しながら・・・。(注2) 夢の中の私は、それはもう言い尽くせないほどの 憔悴ぶりだった。 まるで酒に溺れた田中角栄のように。 だが彼には二階堂進、江崎真澄、山下元利、小坂徳三郎 というそうそうたる忠臣たちがいた。 それにひきかえ、石もて追われた今の自分には、 一緒にたわむれてくれるネコなんて、 それこそ一匹もいないのだ。 あのリア王にだって味方はいたぞ。 (負けたけれど) そういえばクーデターを起こした際、 ネコたちはこう言っていたな。 「ネズミかな」って。 (「ハムレット」より) もしかしたら、変な魔女たちがネコたちを そそのかしたのかもしれない。 それともネコ一家と人間一家は、 代々にわたる仇敵の間柄だったのか? いやいや、そんなことはない。 俺たちは相思相愛の仲だったじゃないか? あれほど「愛」を交わした間柄だったのに・・・・。 やつらはオセローのように嫉妬にトチ狂っちまったのか? クソ! 可愛さ余って、憎さ百倍。 裏切り者には制裁だ。 ネコたちには、復讐あるのみ! まずは、奴らをおびき出さねば。 だが、そんなのは私の幻術を持ってすれば、 いとも容易いものよ。 空からは怪鳥ロプロス! 密林からは、全長15(c)mの大蛇! 草原からは、(ビニール製の)人喰いヤンマ! そして百獣の王(本当は千葉県の王)偽ミッキー! (これらは全て、ネコたちが大好きなオモチャです) 我がもとに集い、 ネコたちの大好きな「カサカサ」という音を奏でつつ、 アラビアの腰振りダンスのようにクネクネしながら、 彼らをおびき寄せるのだ! そして「マタタビ」という伝家の宝刀を抜いて、 ヤツらにイルージョンの嵐を見せてやる。 ふん。 こんなものは、まだまだ序の口。 ​まだまだッチ。 真の復讐はここからだ、ふん。 裏切り者めらを、 恐怖の牢獄(ペット専用のキャリー)に 閉じ込めてやろうぞ。 ネコたちにとって、牢獄に入ること (キャリーに入れられること)は、 地獄行き (大嫌いな動物病院へ連れていかれること) を意味するからな。 恐怖におののきながら、 いつものように泣き(鳴き)わめくだろうよ。(注3) よし! 決まったぞ! (金田一耕助シリーズの加藤警部のように 手の平を叩きながら) この復讐プロジェクト名は、 「ニャンペスト」だ!! クックックッ。 動物病院へ連行されると分かった時の、 あの絶望したネコたちの顔。 思い出すだけで、笑いがこたえられないぜ。 そして「テンペスト」ならぬ「ニャンペスト」なんだから、 もちろんラストシーンでは 読書会参加者という観客に対し、 プロスペローにこう言わせないとな。 「このキャリーに閉じ込められたネコたちを解放するには、 ひとえに観客のみなさんが『ペットたちのクーデター』を許し、このネコたちへの復讐という芝居に拍手喝采を送るという魔法を使って自由にしてくれるしかないのです」と。 (注1)夏目漱石の「夢十夜」からのパクリです (注2)正確な引用ではありませんので、ご注意を (注3)動物病院では、観念したかのようにおとなしいです




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