告知文『独学大全〜』読書会(最終回)
今回の範囲は「第4部 独学の「土台」を作ろう」。
内容は、これまで紹介された技法を例示しつつ、
「あらゆるものを学ぶ土台になる力」として、
国語・外国語・数学がとりあげら
れている。
なぜ、この3つなのか。
その理由は本書によれば、「これから独学を広げていくにあたって、基礎となり前提」(P666)となるものだからだ。
さらに著者はこれら3つを、「書き言葉」として捉えている。
そして「書き言葉」について、次のように述べている。
「書き言葉は、時間と労力を費やして学ぶべきものであり、また学ぶ価値のあるものである。とりわけ独学者にとっては、リターンの大きい学習投資となるだろう。」
「独学を進めるためには、どうしても書き言葉を扱うスキルが要る。それも高ければ高いほど、アクセスできる学習資源は拡大し、活用できる学習スキルの幅と質は改善され」云々と。
(ともにP671より)
『独学大全〜』(注1)で紹介された55の技法を振り返ってみると、ある一つのことに気づく。
それは意思や継続に関するもの以外は、認知能力一般。
特に「書き言葉を扱う諸スキル」に関連しているということを。
資料を集め、その理解・読解に努める。
次にそれらを要約・整理し、各技法に応じて書き出していく。
そして記憶マネジメントも図りつつ、
次なる問題意識とその解決を図るべく、
以上のプロセスをグルグル再循環させていくことになる。
(個人的には要約能力が意外に求められているかなと)
するとどうだろう。
今度はそれら全てが、新たなるステージへ跳躍していくための
土台であり、足場になっていく。
言い換えれば、アウトプットへの契機となる諸プロセス。
例えば、発想・連想・想起・構想などといった
「偶然と必然が織りなすあや」ともいうべき
思いつきやアイデア・企画等のベースになっていくのだ。
(無から有は産み出されないの・・・)
この一連の全プロセスに、
「書き言葉を扱う諸スキル」が大なり小なり関係していると
言えよう。
つまり、理解・記憶・選択・推論などの認知能力一般と
「書き言葉=言語操作能力」は密接不可分の関係がある
ということである。
考えてみれば(このこと自体が再帰的なのだが)、
思考のどの瞬間にも、言語が無関係でないことが自覚される。
頭の中のモヤモヤがうまく言語化できなかったとしても・・・、
である。
だからこそ、認知能力のベースとなる言語操作能力に
ダイレクトに関わってくる科目として、
「国語」・「外国語」・「数学」にスポットライトがあたっていると言えるのではないか。
ここで他の本からの引用になってしまうが、
参考になる一節があるので紹介してみたい。
「異なった言語を知ることは、
異なった世界の見え方を会得することである。」
「言語習得による新たな認知能力の獲得は、
別に外国語に限らない。
初等教育で身につけるものと高等教育で接するものとは、
別の言語体系といえるほど異なっている。
高等教育のメリットの大部分は、おそらくはそこに由来しており、個々の学科での新知識獲得ではないのだろう。」
(以上『銀河の片隅で科学夜話 物理学者が語る、すばらしく不思議で美しいこの世界の小さな驚異』全卓樹、朝日出版社、ともにP129より)
さて、今回の読書会で『独学大全』全体を通読したことになる。
記憶のマネジメントのために、全体のおさらいもしてみたい。
さらに、「会読形式による英語読解の勉強会」を
立ち上げられないかも参加者同士で相談してみたい。(注2)
(仲間がいた方が挫折しにくいんです。
さらに、この『独学大全』読書会も
仲間がいたからちゃんと告知文を打てました。
みんなに本当に感謝しています)
興味のある方は、ぜひ気軽に遊びに来てくださいね。
見学だけの参加・ハンドルネームでの参加も可能ですし。
(もはや「である」調でなくなっちゃったね)
最後になりますが、
私たちの「独学の旅」はまだ始まったばかり。
みなで英語・国語・数学の基礎を固め、
さらに奥の扉をともに開けていきませんか。
合言葉は、
「一緒に奥に行こう!
励まし合って、奥にいけ!!」
(注1)略称で本当にごめんなさい
(注2)いずれは数学(高校履修範囲)の勉強会も
