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告知文『着眼と考え方 現代文解釈の基礎』読書会(第7回目〜論理的な文章の三回目)


今回の範囲は「Ⅲ 論の構成について」。


論理的な文章の読解には、

各段落の要旨を把握することが不可欠。

具体的には、

論の進展や屈折に注意しながら読んでいくことが

求められてくるのです。

(ここでいう屈折とは、「ロジックの変化の度合い」ぐらいの意味)


ゆえに接続詞および、

その前後にわたる接続詞の影響範囲を

しっかり把握していく必要があるわけで。


ということで、まずは接続詞に着目した箇所から

学んでいくことになります。



次に、帰納という論証形式について学んでいきます。

帰納ってあれだよね、簡単だよね。

と思われる方がいらっしゃるかもしれません。


ここで意外な伏兵として潜んでいるのが、

「分かりきったこととされてしまい、

そのために書かずに済まされた判断(結論)」の存在。

専門書に近い本ほど、まるで暗殺者のように潜んでいることが多いんす。

(大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のキャラでいえば、善児か?)


そして、一つの結論から導かれる派生的な判断にも

注意が必要なんですよ。

(もともとの判断からみると、逆・裏・対偶の関係となる)



最後に、演繹という論証形式についても学んでいきます。

演繹というと、「ソクラテスは死ぬ」のあれだよね〜

となるわけですが、ここにも伏兵が隠れていることがあるんです。

それが、省略という名の地雷群。

​彼らも姿を見せずに、文中に埋められているわけで。


具体的には、既述部分から導かれる派生判断や、

当たり前すぎる(と論者が判断している)内容などになります。


これらをちゃんと記述しようとすると、

まどろっこしい文体になってしまいがち。

ゆえに省略されることが多く、

それが分かり難くなる原因の一つになってくるわけです。



最後に一点だけ。

ここまで学んだ「Ⅰ解釈の基本」と

「Ⅱ論の重点について」のパート。

そして今回の「Ⅲ論の構成について」。


この一連の過程で、論理的な文章のロジックをたどりながら、

形から攻めていくことを学んだことになります。


次はそれらを駆使して、

論者の価値観や世界観といったものへのアクセスを

試みていくことになります。


言い換えれば、「読んだうえで、そこから推論を駆使し、

背後にそびえるものを解き明かしていく」。

このような「行間への読解に至る途」

やっと見えてきたとも言えるわけです。

(個人的には、三中信宏さんの新著、

『読書とは何か 知を捕らえる15の技術』

の内容ともつながっているのではと考えております)


いずれにせよ、

ゴールはもうすぐそこ。

あともうひと踏ん張りしていきましょう!




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