• 灰丸

告知文『読書とは何か 知を捕らえる15の技術』(三中信宏、川で新書)

これは「読書会あるある」かもしれません。

たまに訊かれるんです。

「本をどう読めばいいのですか?」と。


「好きに読めばいいんですよ〜」なんて、

箸にも棒にもならないコメントで返すことが多く、

その度に

「これじゃあ、答えはおろか、

ヒントにすらなっていないよな〜」と

思うばかり。


そんななか、

救世主的な本が登場したんです。

それが『読書とは何か 知を捕らえる15の技術』(河出新書)。


著者は、『読む・打つ・書く 読書・書評・執筆をめぐる

理系研究者の日々』

(以下、同書を『読む・打つ・書く〜』と表記)で、

あの「人文的大賞2021」に輝いた、三中信宏(敬称略)。


その『読む・打つ・書く〜』では、

「試行錯誤しながら部分的な理解をつなぎ合わせ、

大きなその著者が構想する全体像を一望のもとに捉えようと

するのが読者の目標となる。」

(『読む・打つ・書く』P59)と述べた上で、

部分から全体への推論を目指す

「アブダクション」についての説明が展開されておりました。

(『読む・打つ・書く〜』P61〜P64)


その「アブダクション」を中心に、

著者が実際に積み上げてきた読書の方法や心構えについて

これでもかと解説されているのが、

今回の課題本となります。

(『読む・打つ・書く〜』のなかの

「読む」に特化した入門書としても最適なんです)


まず著者は読書について、次のように語っています。

「私にとっての「読書」とはしっかり自分の頭を使った

「推論」の素材にほかならない」。(P12)

「私の考える読書とは、

(中略)痕跡や目印を拾いながら、

最終的には自分なりの全体像をかたちづくる

という知的作業だ。」(P72〜73)


そうしたうえで、

読書という行為を「狩猟」に見立てていきます。


この見立てより、

断片としての痕跡から背後に広がる全体像まで推論していく

という「アブダクション=知を捕らえる読書」というものに、私たちを誘っているわけです。


他にも、「本を読む時の3箇条」だったり、

「本はわかりやすく書かれるものである」

という先入感は捨てるべき。

流動食のような読みやすい本ばかり読むことは、

基礎的な知力の衰えという「地獄」に通じている。

「読書は拙速を尊ぶ」。

などなど、読みにまつわるヒントを

惜しげもなく開陳してくれているんですよ。

(そして分厚い本や難しい本にも挑戦せよと

鼓舞してくれている)



そこで、せっかくなので最後に、

それらのなかから1つだけ、

みなさんに紹介したいと思います。


それは、

同じ本を他の読者がどのように読んだかを知ることは、

読書(狩り)の技能訓練の一つだ

と指摘していることなんです。


そうなんです!

これは、まさに、課題本型の読書会そのもの!!


みんなで同じ本の感想を交換し合うことで、

自分では気づかなかった視点からの解釈を知ることができる。

それは、(課題本型)読書会の大きな魅力のひとつ。


さらに

(課題本型の)読書会に参加することは、

すなわち、

読書(狩り)の経験値を上げる貴重な機会である

とも言えるわけなんです。


この意味で是非、

(課題本型の)読書会を利用していって欲しいと

願っております。

きっと得るものがあるはず。


さて、奥池袋読書会は、

見学だけの参加も可能です。

気軽に遊びに来てくださいね。


​そして本書を足場にし、

「人文的大賞2021」を受賞した

『読む・打つ・書く〜』も読んでみてください。

​きっとあなたも「打ち」たくなってきますから。

(見た目とは裏腹に、読みやすい本なんですよ〜)





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