告知文 (第三回目)『着眼と考え方 現代文解釈の基礎』読書会

前回(文学的な文章の二回目)は、

キャラ達の性格・心理・思想分析について学んだ。


まずそのキャラの発言・行動の解釈において、

具体と抽象の双方を重ね合わせていくことで、

相矛盾する面を持つことが多いキャラ達の性格を

分析していくことなどを学んだ。


次にベースとなる性格と実際の発言・行動を結びつけるものとして、

各シーンごとに変動しうるキャラ心理についても学んだ。


このキャラ心理。

その時その場での状況に大きな影響を受けるもので、

自分がその場にいたらどう思うだろうかという視点も必要だった。


さらに、そのキャラの個々の行動の指針となる一般的な価値判断、

という意味での思想についても学んだ。

これは人生や社会のあり方について、

そのキャラがどういう価値を置こうとしているのかという論点である。



では今回の第三回目で取り扱うのは、どういった内容なのか。

項目名は「Ⅲ 構成・表現について」。

具体的には、作品の主題・作者の意図・文体について

取り扱っていくことになる。


そこで、ここからは主題・意図・文体について、

その概要を述べてみたい。


まず作品の主題とは何かといえば、

その作品が結局「何を」書こうとしたものなのか

ということになる。

そしてこの作品の主題から、

読後の印象や感動が生じてくるという特徴がある。

ひとくちに「ああ〜感動した!」といっても、

作品の主題ごとにその中身は変わってくるのだ。

(恋愛小説とミステリーでは、その感動の内容は異なるだろう)


そして作品中でいろいろな出来事が展開されていくのだが、

それらが相互に重なり合っていくことで、

全体の印象や感動が生成されていく。

したがって、各構成がどのようにその主題を盛り上げていっているのか

という分析が必要になってくる。

(作品の構成面に焦点があたっている)



次に取り上げられている論点が、作者の意図の分析。

ここで言う意図とは、

その作品を「こういうふうに書きたい」という

「作者のもくろみ」のことを指している。


ゆえに、それが成功しているかは別にして、

作品中に展開されいるキャラ達の個々の発言・行動・事件はもちろんのこと、

各構成やその関係性。

さらには言い回しなどの表現の細かい点にも、

「作者のもくろみ」が反映されていることになる。


つまり作者の意図を分析するには作品の材料・構成・表現など、

幅広く見ていかなければならないことを意味している。

(構成・表現の双方に目を配る必要性あり)



そして三番目の論点として「文体の解釈」が登場してくる。

なぜ「文体の解釈」まで必要なのか?

それは、読後における印象や感動は、

その作品の主題や作者の意図が「どのように」表現されているか

によっても大きく影響されるからである。

(その主題・意図を実際の表現として定着させていくための

特定の書き方のことを「文体」と呼んでいる)


ここで、以下のことを考えてみれば、

「文体解釈」の大切さが理解できるだろう。

・その作品の主題・意図にふさわしい表現なのか

・その表現がどういう効果を発揮しているのか(狙っているのか)

・もし別の表現方法が取られていたならば、全体の印象はどうなってしまうだろうか、etc


そして実はこの「文体解釈」には作品読解とは別に、

もう一つの重要な側面があるのだ。

それは作者の内面性と密接に関係しているという点。


創作とは、己自身のサルベージをひたすら繰り返していく脳内作業であり、

それゆえ、自己の素養を隠しても隠しきれないものなのである。

いやがうえにも、自分というものが滲み出てきてしまう。

それが創作なのである。

(自分は中学生の時、エロ小説を書いてみたことがある・・・)


それゆえ文体を解釈することは作品だけでなく、

作者理解に連なっていくその端緒でもあるのだ。

(具体的には次回の範囲で取り扱うことになる)



最後に一点だけ。

「作品主題を実感として把握すること」。

そして、その主題を通して作者が表そうとした

「さらに奥の意図まで思いを馳せてみること」。


これらは社会や人生について考えを深めていくための

「外部足場」にもなり得るものである。


なぜなら、小説というは、

「社会の縮図」・「人と人とが織りなす心情や関係性の縮図」

と言えるからだ。


そして、その小説というジャンルを読解することで、

社会や人生について考えていく足場を築くことは、

自分自身を作り変えていくこと。

つまり「Self-Cultivation」そのものに繋がっている

と言えるのである。


良い小説は、考える力も養ってくれるのだ。


今回の範囲では太宰治、夏目漱石、堀辰雄といった

そうそうたる文豪作品が取り上げられている。

見学だけの参加も可能なので、是非、遊びに来て欲しい。



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